左官業についてABOUT PLASTERING

当社の左官工事について

建物に命を吹き込む職人の技

左官工事は、建物の骨格を支える下地から、美観を決定づける仕上げまで、建築物の根幹を担う極めて重要な工程です。私たちの手仕事は、単に壁や床を塗るというだけに留まりません。長年培ってきた伝統的な左官技術を基礎とし、土、漆喰、モルタルといった多様な素材の特性を最大限に引き出しながら、一つひとつ丁寧に仕上げていくことで、建物の耐久性、機能性、そして意匠性を高めています。

和風建築の繊細な土壁、洋風建築の洗練された塗り壁、現代建築の意匠を凝らしたデザインまで、私たちは幅広いニーズに対応し、素材が持つ自然の風合いや温もり、 質感を活かした心地よい空間づくりに貢献しています。

熟練の職人の手から生まれる芸術性と、 建築的な知識が融合することで、住む人、利用する人にとってかけがえのない空間を創造しています。下地処理の精緻さがあってこそ、美しい仕上げが実現する。その両方を担う私たちの仕事は、まさに建物の品質を左右する要と言えます。

建物天井付近を施工する男性の左官

藤井左建の施工事例 建物、床、壁、石畳など伝統技術と素材の魅力を活かし、建物の耐久性と美観を両立する

左官の仕事について

01

鏝を使って壁を施工する男性の左官

左官とは?
鏝(こて)で美を創造する伝統と革新の技

左官(さかん)は、主に鏝(こて)と呼ばれる特殊な道具を用いて、建物の壁、床、天井、塀などに漆喰(しっくい)やセメントなどの材料を均一に塗り、美しく仕上げる専門職です。
一般住宅はもちろん、ビル、マンション、店舗、さらにはお城や伝統的建築物、教育施設、テーマパークに至るまで、左官の仕事現場は多岐にわたります。

02

左官の技術で施工された建物のエントランス

左官の技術
塗りの極みと多様な仕事内容

左官の仕事で最も重視されるのが「塗り」の技術です。床や壁の下地塗りはもちろんのこと、美しいタイル貼り、建物の耐久性を高める外壁補修、そして建物の顔となるエントランス部分への模様付けなど、その仕事内容は広範囲にわたります。どの現場においても、均一で美しい仕上がりを実現するためには、長年の経験と職人の勘、そして熟練された左官技術が不可欠です。

03

白い漆喰の壁

自然素材の塗り壁が注目
漆喰・珪藻土の効果

近年では、健康志向の高まりから、漆喰や珪藻土といった自然素材を塗り壁に用いるケースが増えています。これらの自然素材は、美しい仕上がりだけでなく、消臭効果、調湿効果、殺菌効果なども期待されており、室内の空気質改善に貢献します。感染症対策への意識が高まる中、住宅や店舗などの室内左官仕上げの需要も増加しています。

日本の建築を支える左官の歴史と未来

左官の仕事は、平安時代に本格化したと言われますが、そのルーツは縄文時代の土塀づくりにまで遡るほど古い歴史を持ちます。飛鳥時代には土壁や漆喰が使われ始め、奈良時代には鏝が中国から伝来しました。

「左官」という言葉は、平安時代の宮廷の官位「属(そうかん)」が後に「しゃかん」「さかん」呼ばれるようになった説があり、古くから宮廷建築に携わる重要な役割を担っていたことが伺えます。

その後、江戸時代に生まれた漆喰仕上げは、建物の防火性能を飛躍的に向上させました。耐久性・耐火性に優れた漆喰は、お城はもちろん、商家の土蔵、神社仏閣、そして明治以降の洋風建築にも広く採用されていきました。

近年では、自然素材である漆喰や珪藻土の塗り壁の機能性や、内装のデザイン性を高める意匠左官が注目を集め、左官の技術は建物の建築に不可欠です。日本の伝統的な左官の技は、現代から未来へと受け継ぐべき重要な文化であり、それを担う左官職人は不可欠な存在といえます。

白い漆喰で築城された姫路城 左官職人の歴史と技術の粋が詰まっている

左官の道具について

株式会社藤井左建と彫刻されている黄金の鏝

鏝(こて)

左官の仕事に欠かせない道具、それが「鏝(こて)」です。素材や場所、時期に合わせて最適な鏝を選び、壁塗りなどの作業を行います。その種類は1,000以上とも言われ、塗る場所や仕上げたい模様に合わせて使い分けることが、美しい仕上がりの鍵となります。まさに、職人の経験と技術が、鏝の選択と動きに表れるのです。

左官の左手に乗せられた正方形の鏝板

鏝板

鏝板は、左官職人が鏝で材料を扱う際に、材料を一時的に置いておくための板で、作業効率と仕上がりの質を高める上でとても重要です。鏝板は、左官職人にとってまさに「手のひらの上の作業台」とも言える、なくてはならない道具です。鏝板次第で、作業効率と仕上がりの美しさが大きく左右されると言っても過言ではありません。

ステンレスのひしゃく

ひしゃく

容器に入った砂やセメントなどの材料を必要な量だけ取り出すための道具です。
特に、材料を正確に計量したい場合には、目盛りが付いたひしゃくを選ぶと便利でしょう。素材にはステンレス製とプラスチック製があり、丈夫で長持ちさせたい場合はステンレス製がおすすめです。

黒いトロ船

トロ船

トロ舟は、左官工事において材料を混ぜ合わせたり、一時的に保管したりするために使われる、船のような形状をした容器です。船底のような、底が丸みを帯びた形状をしています。これにより、材料が隅に溜まりにくく、混ぜ合わせやすい構造になっています。持ち運び用の取っ手が付いているものが多いです。

2025.08普通職業訓練校 開校

働くだけでなく、一緒に笑い、楽しむ仲間がいる。
藤井左建でチャレンジしてみませんか?

左官は、古くから伝わる職人技。
私たちは、その伝統を守りながら、新しい挑戦を続けています。
一つ一つの仕事に個性と技術が求められ、あなたの若い感性とエネルギーが私たちの現場に新しい風を吹き込みます。

先輩職人のもとで、確かな技術を学びながら、自分自身の力で新しい景色を作っていきましょう。
また、左官の技術は一度身につければ一生使えます。
形として残り、人々の生活を支える誇り高い仕事です。
新しいキャリアの第一歩を、ぜひ私たちと共に踏み出しましょう。